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死のせまった年齢であるからこそ


『良沢の胸に、熱いものがひろがった。たしかに自分は、五十歳にちかい年齢に達している。新たな学問に取り組むには老いすぎているのかもわからぬが、逆に考えてみれば死のせまった年齢であるからこそ学業にはげまねばならぬとも言える。一介の藩医として生涯を終るよりは、心をふるい立たせて余生をオランダ語研究にささげる方が人間としてこの世に生れ出た甲斐がある。』

吉村昭著『冬の鷹』より。

吉村昭さんの作品を読み始めました。
どの作品も、引き込まれて、その場にいたような気持ちになり、生きることの厳しさや苦しさや希望を味わえています。

この作品も、読めてよかった。
この言葉に会えただけでも、よかった。

算命学を学んでいる自分に。
豆本や革小物を作っている自分に。

五十を超えて、老い過ぎているのかもしれないけれど、
死の迫った年齢だからこそ、励まねばならない。

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メモせずにはいられない珠玉の本
メモせずにはいられないと思った珠玉の本を紹介していきます。



私は周りの人にもですが、本にも助けられてこれまで生きてきました。
人にも、本にも、感謝しています。

読んでよかった、メモしたくて、メモしてよかったと思える本を紹介することで、
本に、著者に、編集者に、出版社に、印刷会社に、流通関係者に、本屋に、
少しでも恩返しができたら嬉しいです。

気になった本があったら、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。

この記事は目次です。
リンクを貼るので、気になる本のタイトルをクリックしてくださいね。
(2020.4.27現在、12冊アップしました)

座右の書

『モリー先生との火曜日』
『大人になるっておもしろい?』
『モモ』
『星の王子さま』
『夜と霧』



読書好きのための本

『読む力は生きる力』
『本を読む人だけが手にするもの』
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
『言葉にできるは武器になる』
『読書する人だけがたどり着ける場所』
『本当の頭のよさってなんだろう?』
『読書は格闘技』
『ぼくはこんな本を読んできた』

背中を押してくれた本

『本気で生きる以外に人生を楽しくする方法があるなら教えてくれ』
『僕らの仕事は応援団』
稲盛和夫『君の思いは必ず実現する』
『選ばれる女になりなさい』
『いつやるか?今でしょ!』
『世界一清潔な空港の清掃人』
『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか』

芸人さんの本

山里亮太『天才になりたい』
塙宣之『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』
西野亮廣『魔法のコンパス』
小林賢太郎『僕がコントや演劇のために考えていること』
中田敦彦『僕たちはどう伝えるか』
古坂大魔王『ピコ太郎のつくりかた』
又吉直樹『夜を乗り越える』
石井てる美『私がマッキンゼーを辞めた理由』
なだぎ武『サナギ』

仕事に役立つ本

『すいません、ほぼ日の経営』
『100の基本』
『日本一売り上げるキャバ嬢の 指名され続ける力』
『世界一の美女の創り方』
『ない仕事の作り方』
『即答力』
『「ぜひともあなたに」とお願いされるハイクラスな人の気配りの習慣』

生き方指南

『こころを整えるしあわせレシピ』
『自分の中に毒を持て』
『ほっとする老子のことば』
『君は特別じゃない』
『ふざけないで!?』
『恋の迷い子どもへ』
『GRIT やり抜く力』

十代の私に読ませたかった

『空気を読んでも従わない』
『サイボーグ時代』
『みんな十四歳だった!』
『あたりまえを疑う勇気』
『NASAより宇宙に近い町工場』
『諦める力』

小説

『春にして君を離れ』
『マカンマラン』
『ゲド戦記 影との戦い』



エッセイ

『樹木希林120の遺言』
『いっしょにいるだけで』
『片づけたい』
『思わず考えちゃう』



こころを整える

『セルフコンパッション―あるがままの自分を受け入れる』
『人間関係をしなやかにするたったひとつのルール』
『私が変わる家族が変わる時間術』
『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』



ライフハック

『すぐやる力 やり抜く力』
『すぐやる人とやれない人の習慣』
『結局、すぐやる人が全てを手に入れる』
『すぐやる!すぐやめる!技術』
『スタンフォードでいちばん人気の授業』
『ある日突然オタクの夫が亡くなったら?』
『メモの魔力』
『人生を思い通りに操る片づけの法則』

多分選外

『13歳からの学問のすすめ』
『今すぐ見つかる!ホントの私に似合う服』
『ほしいと思った服が全部買えない自分をかわいそうにおもっているあなたへ』
『居場所がほしい』
『60歳から生まれ変わる禅の作法』
『ありがとうの奇跡』

本の紹介をブログでやりたいと一年以上前から考えていて、やっと始められました。



今日が一番若い日。

思い立ったが吉日。

天中殺期間ではあるけれど、具体的なカタチとしては残るものではないので、ありかな。
ありだと思うことにします^^


ささやかな試みが、本が大好きな人や、これから本が大好きになる人を応援することになれば、幸せです。

これから100冊、楽しく紹介していきまーす!

これも読むといいよ!という本があれば、是非是非教えてくださいませ。
読みます!


家族と本の話ができるのも、とても幸せです。
読書大好きライフオーガナイザー 、東條真紀でした。

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好きなエッセイを14冊選んでみた結果


おすすめはありますか?と問われて、パッと思い出せたものたちをメモ。

とっておき3冊

児玉清『すべては今日から

尊敬する児玉清さんが遺した、本への敬意と愛情と興奮に満ちた文章をまとめたもの。
何度読んでも心地よく、もしも自分が文章を書くなら、こういうものをこういう風に書きたいと思う。
知性と謙虚さを兼ね備えた児玉さんが、少年のように夢中になった本を熱く熱く語ってくれる。読みたい本が次々に出てきて困ってしまうほど。
最終章は、社会に対しての警告、問題提起。
「もうこの辺りでしっかりと「本の売れない時代』のわれわれ人類に及ぼす悪影響を見極めて『本の盛んに売れる時代』へと転換しなければ、やがて人類は大変な時代を迎えることになることを自覚すべきだと思うのだがどうだろうか」
コロナ禍で、児玉さんのいう悪影響をより感じる昨今、読書の大切さ、そしてシンプルに楽しい!ということを改めて享受できる幸せを思う。

清水眞砂子『青春の終わった日――ひとつの自伝

尊敬する人生の大先輩が語ってくれる生き様。
共感と、勇気を得られました。

上橋菜穂子 『物語ること、生きること (講談社青い鳥文庫)

「精霊の守り人」の作者、上橋菜穂子さんが語る、どうやって作品を生み出しているのかと、どうやって作家になったのか。
繰り返し尋ねられては断り続けてきた彼女がアンサーとして出した一冊。
研究者にもなれない、作家にもなれない、と涙が止まらなかった日々や、研究者としてオーストラリアをひたすらハンドルを握り走り続けた日々とその時の思いを、率直に語ってくれています。
「子どものころ、時を忘れて物語にのめりこんだように、私はいまも、物語を生きるように、自分の人生を生きているような気がします。」p171
簡単な道などない。一歩踏み出した先に、次の道が開ける。
「古くてあたらしい仕事」を読んだ時と似た読後感。その人が語る、仕事とは、生きがいとは。
「物語にしないと、とてもつたえきれないものを、人は、それぞれに抱えている。」
だから、私たちは物語を読み、自分自身の物語を生きている。
それぞれが抱えた物語を、大切にできる世の中であってほしい。そんなことを思った。

いかにもなエッセイ

三好愛『ざらざらをさわる

繊細な感受性と、キャッチした何かを咀嚼し言葉で表現する技術。
自分になくて、あればいいのになと願う美しい表現が文章という形でそこにありました。
「私も、みんなも、どうしようもなくわかりあえないまま、今日を元気に生きています。」
さらっと読めるのに、ところどころ残る。
彼女の体験は彼女のものなのに、自分の過去の忘れていた記憶が蘇る。
ああ、たしかにあのとき、わたしはそんなふうに感じたな、と。
「呪いの先に」は、増田ミリさんの「どうしても嫌いな人」を思い出しました。どこにでも呪いをかける人はいます。
途中で気になってたまらず、著者の生年月日を調べにいってしまいました。わからなかったけど、たぶん調舒星。戌亥天中殺もあるかも。敏感さを大切に、強みにしている好例だと思いました。
こういうエッセイを、また読みたい。

岸本 佐知子『ひみつのしつもん (単行本)

久々に読めた、良質なエッセイ。
人に紹介するとしたら、くすくす笑えてちょこっと知的になれた気がするエッセイ、かな。
文字を追いながら浮かんでくる光景や情けなさ、恥ずかしさ、くだらなさに口元が緩んでしまう。
著者の妄想のレベルが高く、とんでもないところまでいくのが面白い。
例えば、あの馴染みのある害虫と人間が入れ替わったら、とか、「ぬ」の世界征服とか、靴下が片方行方不明にならないようにしてくれる聖人とか。
想像力の効果的な使い方は、こういうものかと。
前作もあるそうなので読みたいと思います。

素敵な女性のエッセイ

杏『杏の気分ほろほろ (朝日文庫)

仕事を通して感じたことやご縁のあった方々とのエピソードなど、彼女の感受性の豊かさと知性と謙虚さ、優しさが感じられるるエッセイ集。
印象に残った箇所。
「人はあらゆる場面で選択を強いられる。そこで、理解する努力を人は忘れてはならない、結果がどうなるかは誰にもわからない。でも、いつまで経っても確かなことは『あの時自分が、それが良かったと思えた選択が出来たかどうか』だと思う。シンプルだけど、難しい。」(p37-38)
常に最善を探し、最善を選ぶ。心掛けたい。

石田ゆり子『Lily ――日々のカケラ――

フォトエッセイのような、自己紹介のような、
ゆり子スタイルを紹介してくれている一冊。
とても自然体で、自分の好きを大切に生きている
女性のお手本というか、彼女のしていることではなく、
あり方を真似したい、そう思える素敵エピソードの数々。
算命学的に見ると、貫索星と鳳閣星を生かすと
こんな感じになるのか、という好例だと思えました。
競泳をしながら、ライバルではなく自分に
負けたくなかった、というのも納得(車騎なし)。
本棚の部屋も圧巻。
彼女は読書を横糸に、体験を縦糸に、素敵な石田ゆり子という
美しい布を織っているんだなというイメージが湧きました。
読めてよかった一冊です。

働くこと

島田潤一郎 『古くてあたらしい仕事

ところどころで、泣きそうに。
本が好きで、本に助けられ、本に楽しませてもらい、本に教わった経験がある人なら、同様にきゅーんとするのではないかしら。
転職活動に失敗し続け、ひとり出版社をすることになった著者が、これまでの経緯や本と本にまつわる人々について書いてあります。そんな内容でなぜ涙腺に訴えかけてくるのかというと、普遍的な人の弱さや本の持つ力、価値、本の世界を旅した人が味わう感覚を丁寧に描いてくれているから。
「だれかになろうとしないこと」
「自分の頭と身体と経験のすべてを使うことができる仕事をしたい。」
単に本についてだけではなく、これからをどんな風に、何を大切に生きていきたいのかを僕はこうやってきたよ、と語ることで、読者にも自問する機会をくれる良書。
夏葉社さんの本も読んでみよう。


岡本太郎『自分の中に毒を持て<新装版>


吉藤 オリィ 『サイボーグ時代』


清水真砂子『大人になるっておもしろい?

笑いたい時に

岩井勇気 『僕の人生には事件が起きない

以前から気になっていて、渡辺直美さんとの塩と醤油の魔神コントでハートを射抜かれた、好きな芸人のひとり、岩井勇気さんのエッセイ集。
「誰の人生にも事件は起きない。でも決して楽しめない訳ではない。(略)どんな日常でも楽しめる角度が確実にあるんじゃないこと思っている。」
組み立て式の棚を買い、ひとりで七転八倒。
VIPタクシーで変わる意識と振る舞い。
同窓会が嫌いな理由。
北斗の拳の革ジャン着た蟻の襲来。
怪談バー帰りに起きた、本当の怪談。
ちょいちょい吹き出しながら、岩井さん目線の世の中を味わえて、幸せでした。
最後のハライチ愛と分析もさすが。
続編が読みたいです。
あと、調舒星と龍高星を持ってるか、発揮しているかもチェックしたいな。

星野源 『いのちの車窓から
「ダ・ヴィンチ」連載を元に加筆修正された星野源さんのエッセイ集。
ちょっと大人になった?大人向け?の源さんに会えました。「そして生活は続く」と比べてで、あれはあれで楽しめました。
表現することについて、文章が絶望的にうまく書けなかったから、チャレンジしたこと。失敗しながらでも、継続して向上させていくことで、今では自然に思いを出せるようになった、と。
印象的だったのは、人が好き、というくだり。
かつてうざがられて、哀しくて、人との距離を取っていた。自ら人見知りと言うことは、相手に気を遣えと言うのと同じだと気づいてやめた。
人に向けるまなざしが、人から向けられるまなざしになるんだな、と教わった気分に。できればそれはあたたかな、優しいものであってほしい。ならばまずは自分から。
勘三郎さん、鶴瓶さんの死んだら終わりか、のエッセイも心に残りました。
私の車窓からは、この本はこう見えました。

若林正恭『ナナメの夕暮れ

ナナメの人、まっすぐの人が世の中にいて、ナナメ筆頭の人生を送ってきた若林さんのエッセイ。
前作は20代、今作は青年とおっさんの狭間で感じた変化や変わらぬナナメっぷりを楽しめました。
なぜ、なぜ、なぜ。
多くの人が疑問に感じない「当たり前」や「普通」に引っかかり、戸惑い、苛立ち、絶望し、面白さや希望を見つける、あーだこーだが共感の嵐で面白い!
セーターの知識をチクチクが嫌で、でも伝わらなくて、は同じことを感じていたし、ナナメな人は実は多いのだと思うし、誰しもナナメな部分を持っているのだろうと思います。
メモをしたい箇所が随所にあったので、再読予定。

読んで良かったと思える本。
これから読みたい本。
本って、ほんとうにありがたい存在ですね。
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トトノエルが選ぶ、大人のための絵本10選
大人こそ読むといいよー!な本を選ぶとしたら。

トトノエルのお気に入り絵本10選です。

辻ちゃんへのラブレターです。→『『読書年間100冊』2020年私の挑戦したいこと』
100冊の中に入れてもらえたら嬉しいな!

励まし励まされる関係を感じたい時に


マレーク・ベロニカ『ラチとらいおん

とても怖がりなラチ。
らいおんはそんなラチのために現れて、鍛えてくれます。
らいおんがいれば、ぼくは大丈夫。
らいおんがいるから、ぼくは大丈夫。
そう思っていたある日。
ラチに限らず、誰しも心にらいおんを必要としています。
絵本を通して、住まわせることができたら、素敵。


あまんきみこ『きつねのおきゃくさま』
「ひよこは まるまる ふとってきたぜ」
太らせて食べようと思っていたひよこ。
それなのに、そのつもりだったのに。
きつねの心が揺れ動き、揺さぶられ、変わっていく。
最後は泣けます。でもほっとする、嬉しくなる。
悲しい嬉し泣き。
そんな思いにさせてくれる、素敵な一冊。

穏やかな心を取り戻したい時に


ユーリ・シュレヴィッツ『よあけ

静かで、美しい。
でも、満ちている。

読むというより、そこにいられる本。
静けさを感じたい時に。

「あそぼ」がいえなかったあの頃の自分に



内田麟太郎『ともだちや

ふりやななさんの絵がとにかくもう好きで。
細部までじっくり眺めるのも幸せな時間。
おおかみのぶっきらぼうな一言と、
きつねの遠慮がちに、でも期待を込めての一言に泣きそうになります。
友達への一歩は、遠い人には遠いけど、そんな気持ちに寄り添ってくれる絵本。


ユージン・トリビザス『3びきのかわいいオオカミ

ヘレン・オクセンバリーさんの絵も大好き。
ユージン・トリビザスさんが教えてくれる、人は孤独では生きていけないということ。
孤独を解消するためには、繋がりが必要なこと。
繋がりを作るためには、守るべき大切なことがあること。
選択理論心理学を学んでいる人やアドラーを知っている人は、おお!わかりやすい!と思うはず。

自分と向き合う勇気を取り戻したい時に


モーリス・センダック『まどのそとのそのまたむこう

新訳が出ていて、図書館で見つけて読みましたが、ショックを受けました。
が、『「原書という地図のある旅が翻訳。でも、地図を信じきったらだめ。一度覚えたら地図はみずに自分で旅をする」。それが、アーサーさんの翻訳術なのだそうです!』
アーサー・ビナードさん講演会「“センダックといっしょに未来を見つめる” 〜『父さんがかえる日まで』刊行記念〜」より)
納得。
だから『OUTSIDE OVER THERE』というタイトルを「まどのそとのそのまたむこう」ではなく「父さんがかえる日まで」にしたり、「まどのそとのそのまたむこう」を「ふわふわふわのうわのそら」と表現したりしたのか。
脇明子さんの訳が、私は好きです。原書に忠実だから。
センダックが伝えようとしたことに、忠実であろうとしている(と思う)から。
アーサー・ビナードさんがセンダックをこう読んだ、を読みたいわけじゃない。
翻訳じゃなくて意訳。
それもアーサー風味に味付けされていて、台無し(と私は思います)。
彼のファンならいいのかもしれません。

ぜひ、脇明子さんの訳で、簡単なのでなんなら原書で、
読んでみてください。
アイダの不安と、勇気と、力強さから、学べることがあります。

本が好きー!と叫びたい時に


アニタ・ジェラーム『ぼくはぼくのほんがすき 児童図書館・絵本の部屋

どんなにきみがすきだかあててごらん』のイラストを描いた方。
いつまでも眺めていられる優しさに溢れたイラストが素敵。


ヨシタケ シンスケ『あるかしら書店

こちらの本も、本好きなら、本を大好きな気持ちとともに、これを抱きしめたくなるはず。

自分の機嫌を上手に取る方法を知りたい時に


ドン・フリーマン『くまのコールテンくん

コールテンくんの言葉はいつでも前向き。
状況をどう受け止め、どう捉え、どう表現し、どう行動するのか。
幸せに生きるヒントを教えてくれます。

片づけのプロと話題にするなら


マージェリィ・ビアンコ『ビロードのうさぎ

酒井駒子さんのイラストがこれまた、眺めているだけで美しい。
ビロードのうさぎの気持ちになって読み終えた後、
家の中のモノたちが、違って見えてくるかも。

以上、大人が読んでも響くものがある、素敵な10冊でした。

子どもたちと絵本をいっぱい読めて、幸せでした。
もっと読んであげたかったけど。その時はそれが最善だったから。

東條真紀
まだ間に合うこれからの方には、読めるうちにこれでもかというくらい読んであげてねーと思います。
浜松のライフオーガナイザー、トトノエルの東條真紀でした。

トトノエルのレッスン、サービスについて
トトノエル(東條真紀)について
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2021年読めて幸せを感じられた本ベスト10冊(随時更新)
2021.10.8現在のランキングです。
どなたかの選書の参考になれば幸いです。

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1位 増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(下) (新潮文庫)

相当分厚い文庫上下巻。
全然苦にならず、どっぷり惹きつけられ続けるとは。
それだけ、著者増田俊也さんの筆力の高さと正当な評価がされていないことに対する怒り、「鬼の木村」の人生の数奇さ、彼の人間的魅力が相当なものだったということ。
上巻の最初に「あ、ついでに触れとくけど」くらいにさらっと、関係者が割腹自殺、とあるのに度肝を抜かれた。なんて世界。
解説にも書かれていたように、私も著者の増田さんに感謝をせずにはいられない。「木村政彦」を知ることができてよかった。知らないまま逝くことがなくてよかった、と心から思える。
格闘技は嫌いじゃないけどマニアほど詳しくない自分にとって、なんとなく知っている桜庭和志さんのアレのアレがアレで、とグレイシー柔術からの木村政彦ハンパねえっぷりが伝わる妙な感じは、読み手によって違うんだろうなと思う。
柔道を始め、格闘技がそれまでと違って見えてくるはずの一冊。というか上下巻。
木村の前に木村なく、木村の後に木村なし。
鬼の木村を私は忘れない。

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2位 遠藤周作『沈黙

自己啓発本なんて読んでる場合じゃないな…と思った。
自分が生まれる前に書かれた小説。読めてよかった。
島原の乱の後で厳しい弾圧が続く地に、だからこそ、と向かった司教たち。待ち受ける試練と信仰、神との対話。
「沈黙」が示すものは何か、信徒ではない身でも考えさせられた。
歴史の学習で見たなーくらいの踏み絵の重さも読む前と後で変わった。踏ませた人、踏ませられた人、踏めなかった人がいたこと、あれが命を左右した時代があったことを忘れてはならないと思う。
読了後も、司教の苦悩が脳裏をよぎる。
そんな時代があったこと、そこに生きた人々がいたこと。自分の中に刻むことができた。遠藤周作さんに感謝。

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3位 児玉清『すべては今日から

尊敬する児玉清さんが遺した、本への敬意と愛情と興奮に満ちた文章をまとめたもの。
何度読んでも心地よく、もしも自分が文章を書くなら、こういうものをこういう風に書きたいと思う。
知性と謙虚さを兼ね備えた兒玉さんが、少年のように夢中になった本を熱く熱く語ってくれる。読みたい本が次々に出てきて困ってしまうほど。
最終章は、社会に対しての警告、問題提起。
「もうこの辺りでしっかりと「本の売れない時代』のわれわれ人類に及ぼす悪影響を見極めて『本の盛んに売れる時代』へと転換しなければ、やがて人類は大変な時代を迎えることになることを自覚すべきだと思うのだがどうだろうか」
コロナ禍で、児玉さんのいう悪影響をより感じる昨今、読書の大切さ、そしてシンプルに楽しい!ということを改めて享受できる幸せを思う。

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4位  南勝久 『ザ・ファブル
ザ・ファブル コミック 全22巻セット [コミック] 南 勝久
面白すぎてネットカフェに二日連続で通って全22巻読了。
殺しを封じられた最強の殺し屋が、一般人として過ごす一年間。
平穏無事に過ごしたくても、そうはいかず、次々に起こるトラブルやピンチ。
登場人物が魅力的。真面目なシーンと笑えるシーンのギャップがたまらない。
個人的には、仕事観に刺激をもらえた。プロとは何か、プロとして、どうあるべきで、何をして何をしないのか。
ヨウコの楽しみ方もすごく面白い上に参考になった。日常で残念な人に遭遇した時に「あー、そういうしょうもないことをするスタイルなのねー、いかにもクズだわー、いいわー」とイライラしないで楽しくやり過ごせそう。
読む前は、好きな絵ではなかったけれど、ぐんぐん惹かれて、これでないと!という気持ちに。
映画化されたことも知らなかったけど、私ならアキラは鈴木亮平さんに演じてみてもらいたいなー。笑顔が気持ち悪くないからアレだけど。
本当に、読めてよかった!

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5位 マイケル・モーパーゴ 『兵士ピースフル

【人殺しに参加しなかったことで処刑された人たちがいたこと】
私たちが忘れてはいけないことがある。
第一次大戦の激戦地、ベルギーの町イーペル。
そこで起きたかもしれない、おそらく起きていた兵士の物語。
モーパーゴさんによる、フィクションではあるけれど、元兵士の話を元にした、限りなく現実に起きた悲劇。
軍事裁判で銃殺刑を受けた兵士たち。
大逆事件を思い出させる、審議の時間の短さ。非情、悲運、惨さ。
歴史を学ぶ大切さや平和の重さと難しさを感じた。良書。
私も訳者同様に、トモの無事とその後の幸福を祈らずにいられない。

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6位 アレックス・シアラー『13ヵ月と13週と13日と満月の夜

【久々に五つ星つけちゃった作品】
帯の絶賛コメントを疑ってましたが、それ以上の面白さで一気読み。
疾走感がありすぎて、長いジェットコースターを乗り終えた後のような、ぼーっとした感覚に。
年老いた邪悪な魔女に騙されて体を乗っ取られた少女が、自分の体を取り戻そうと必死になる話。
ただのファンタジー、冒険譚にとどまらない、家族愛、友情、勇気、自分の心に正直であることなど、人生で大切にしたいものを思い出させてくれた。
「家というのは、いたいと思う場所、心のすみかだ。もしそこにいたいと思わないのなら、それは家なんかじゃない。」p257
昔読んだ「青空のむこう」も再読しようと思う。読めてよかった!

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7位 三好愛『ざらざらをさわる

繊細な感受性と、キャッチした何かを咀嚼し言葉で表現する技術。
自分になくて、あればいいのになと願う美しい表現が文章という形でそこにありました。
「私も、みんなも、どうしようもなくわかりあえないまま、今日を元気に生きています。」
さらっと読めるのに、ところどころ残る。
彼女の体験は彼女のものなのに、自分の過去の忘れていた記憶が蘇る。
ああ、たしかにあのとき、わたしはそんなふうに感じたな、と。
「呪いの先に」は、増田ミリさんの「どうしても嫌いな人」を思い出しました。どこにでも呪いをかける人はいます。
途中で気になってたまらず、著者の生年月日を調べにいってしまいました。わからなかったけど、たぶん調舒星。戌亥天中殺もあるかも。敏感さを大切に、強みにしている好例だと思いました。
こういうエッセイを、また読みたい。

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8位 町田そのこ『52ヘルツのクジラたち


出てくる人たちを、みんな応援したくなるお話。
いい人も、困った人も、ひどい人も。あ、やっぱりひどい人は難しいかな。
愛されたくて、愛されなくて、心にその匂いがついてしまった主人公と、同じ匂いの少年との出会い。
52ヘルツの声は、届かない。
でも、聴こうとしてくれる人は、この世のどこかに必ずいる。諦めないで、声を上げ続けること。
諦めないで、声に耳を傾け続けること。
現実の世界でも、こうやって52ヘルツの声を上げている人たちの存在がいるのを知ることと、声に耳を澄ますことは、必要というより切実だと思う。
社会問題を取り上げているけれど、ストーリーに引き込まれて、一気読み。
本屋大賞の作品は、期待はずれな確率が高いのだけど、大賞は別かな、とこの作品を読んで思った。

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9位 凪良ゆう『わたしの美しい庭

しっとりと、ふんわりと、包み込んでくれるような小説。
それぞれに事情を抱えた人々が、辛くても、切なくても、わからなくても、わかってもらえなくても、うまくいかなくても、生きていかなくちゃならないし、その中にも喜びは見出せる。
この人たちのいるマンションの屋上に、縁切り神社に、私も行きたい。そう思えた。
流浪の月』とこの本は、読めてよかった。

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10位 西加奈子『まく子

不思議な少女コズエと、大人になりたくないボクの小五の夏の物語。
宇宙人だというコズエの言葉は本当なのか、着地点はどこなのかとハテナを抱きつつ読み進めたら、納得の、でも想定外の結末。心に温かいものが残り、まさかの陰陽五行思想の説明にもなっていた、というお得な小説でした。
「いつか死ぬことを運命づけられた、そして自分の体の粒を何かに与えることが出来る、優しい生命体」(p253)として、何をどうまいていこうか。「まく子」が教えてくれたことに、言葉にして届けてくれた西加奈子さんに、感謝。
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以下、ベストテン圏外ですがよかった本たち。

11位 朱川湊人『わくらば日記

好き!
本屋大賞の作品でがっかり続きだったので、読んでいる最中も、読後も心地よいこういう作品に出会えてほっとした。
過去が見えてしまう不思議な力を持った姉との思い出を妹が語る。戦後から高度経済成長へと向かうあの頃の日本。
事件簿でもあり、ミステリーでもあり、人間の切なさ愚かさ優しさ温かさも感じられて、読めてよかった。続きもあるので、それを読む楽しみができたのも嬉しい。
私もお母さまに巴投げされたいと思った。
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12位 いせひでこ『ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

フランスで著者が出会った、ルリユール。
アパートを借りてまで通い詰め、思いを形にしたこの絵本。
大好きな図鑑がバラバラになってしまい、修復してもらうソフィー。
父親から学んだ技術を高め続けてきたルリユールおじさん。
完成した本を「わたしだけの本」とぎゅっと抱きしめるソフィー、大好きな本の世界にのめり込むソフィーの姿に、なぜか泣きそうな気持ちになった。
ひとにはそれぞれ大事にしたいものがある。それを大切に抱えて生きていきたいな、ということを思い出させてくれる。
いせひでこさんの、優しくて味わい深い絵を眺めているだけでも幸せな気持ちになれる、本好きにはたまらない一冊。
ルリユールは、本当に素敵な職業。

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13位 『どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心

誰にでもこんなこと、あるのかなあ。
タイムリーで、読めてよかったと思えた優しいコミックエッセイ。
なんとか気持ちを切り替えて、嫌いな人を、嫌いという気持ちを、我慢する自分を受け入れ、認めようとしてきたすーちゃん。
疲れ切って、どうにもならなくなる前に、決断する。
p132ページからの独白に、泣けそうな思いと、勇気をもらえた。
「いいじゃん、後のことなんて。先のことの方が、今のあたしには大事なんじゃない?」
「逃げ場がないなら、その部屋にいてはダメなんだ」
「もういいのだ。あそこから逃げるあたしは、正しいんだ」
自分を、自分の気持ちを、守るのは、自分。自分の声を聞けるのも、自分。
また忘れた頃にパラパラと読み返したい。
それにしても、絶妙に嫌な感じの人を描くの、上手いなあ。向井さんも、木村さんも、私もイヤ。
でも、私も誰かの「どうしても嫌いな人」なんだろうな。
それはいたしかたのないこと。

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14位 
本日、サービスデー

正統派のハートウォーミングな五篇の作品集。
安心して読めて、列車の旅の友に最適。
本日サービスデー、気合入門、蒼い岸辺にて、は主人公と一緒にドキドキしながらがんばろ、と思える。あおぞら怪談のるり子さんは、妖怪アパートのるり子さんを思わせる、切なさの残るお話。
東京しあわせクラブはタイトルと内容のギャップにつっこみたくなる。途中で気づく、あのゾッとする感覚が読み応えとあうものか。
読む前の自分に読むべきか聞かれたら、いくつか並行して読む中で、ちょうどいい気分転換になるからいいと思うよ、と答える。

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本が読めるのは幸せなことですね。

生きているうちに、読める本は、自分が思っているより多くない。

時間を大切に、読みたい本を読める有り難さに感謝して、
読書の時間を増やしたい、楽しみたい、と思います。

♪年間100冊読みたい本仲間♪

香織さん→『時間が増える仕組み作り SMILE LIFE』
ロリスさん→『ロリスの『これやった!』日記』
東條→『本が好きカテゴリー』『死ぬまでに読んでメモしたい100冊の本』『【一覧】片づけに役立つ本』『[一覧]既読捨てる気になる本』

こちらもどうぞ→『2020年読めて幸せを感じられた本ベスト10冊』

→『2020年2月に読んだ本は11冊(トータル31冊)』
→『2020年3月に読んだ本は7冊(トータル38冊)』
→『2020年4月に読んだ本は13冊(トータル51冊)』
→『2020年5月に読んだ本は15冊(トータル66冊)』
→『2020年6月に読んだ本は20冊(年間トータル86冊)』
→『2020年7月に読んだ本は20冊(年間トータル102冊)』
→『2020年8月に読んだ本は16冊(年間トータル118冊)』
→『2020年9月に読んだ本は23冊(年間トータル141冊)』
→『2020年10月に読んだ本は19冊(年間トータル160冊)』
→『2020年11月に読んだ本は23冊(年間トータル183冊)』
→『2020年12月に読んだ本は13冊(年間トータル196冊)』
→『2021年1月に読んだ本は15冊(年間トータル15冊)』


読書時間は幸せ時間。浜松のライフオーガナイザー、東條真紀でした。

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私を幸せにしてくれるものを選ぶ


本が好きで、よかったなとしみじみ思います。

先日電車で遠方に出かけた時のこと。

うとうとと寝てしまい、目が覚めたタイミングで降りなくちゃと降りたら、
勘違いで手前の駅で降車してしまいました。

誰もいないホーム。

次の電車まで30分ほどの待ち時間。

よかった。

持ってきた本が読める。

古今東西の知識人や文学者、なんらかのプロが、時間をかけて学んだことや
考えたこと、生み出したものを、好きなところで、好きなタイミングで、
好きなペースで、受け取ることができる。

浮気も自由。
文句も言われない。

読書は、生きているうちにできる最高の娯楽の一つ、と以前書いてあるのを読みました。

その通りだと思います。

読める幸せ。

私を本好きにしてくれた全ての存在に、感謝です。

私にとっての本は、「私を幸せにしてくれるもの」のひとつ。

「私を幸せにしてくれるもの」が何かを自覚できていて、それを手にし、
使い、愛でることは、幸せ貯金箱にちゃりんちゃりんと小銭が入るようなもの。

物理的にはリッチではなくても、自分の内面はリッチにできる。

リッチだと、口角が上がりますね。

自分の考えるリッチさを、大事にしていきたい。
これまでも、これからも。

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2021年7月に読んだ本は10冊(年間トータル117冊)

読めてよかった順に。
ですます調とである調が混在しているのは、読んですぐにメモを残すのですが、その時の気分によるもの。

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1位 小野不由美『東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

危険な小説。
旅の友にと持ち歩くには、自分には不向き。夢中になりすぎて、電車を降り損ねそうになるし、バス停で傘を忘れても気づかない。ストーリーの戦乱にリアルな読者の自分も巻き込まれる感じ。単にうっかりしているだけかもしれないが。
そんなこんなで読み終えて、満足度は高し。十二国記、延の話。幼い頃に蓬莱で捨てられた子どもが、生き延び再会。彼らの主と国の運命やいかに。村上水軍なんてのも出てきて、日本史好きにはちょっとドキドキする展開。
王とは、治世とは何か。統治者は何をすべきなのか。
面白くて考えさせられる、大好きなシリーズ。

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2位 垣谷美雨『七十歳死亡法案、可決 (幻冬舎文庫)

おもしろかったー!!
映像が終始浮かんで、映画を一本観終わった気分。
柿谷美雨さんの小説は、読みやすくて面白くて、でも奇想天外ではなく日常に近くてリアルで、次々読みたくなる。
この法案はかなりのインパクトで非現実だけど、コロナ禍で、寿命間近の寝たきり老人を救うために日本のトップがしてきた選択、それで失われた、奪われた若者たちの貴重な経験を思う時、この小説を読んであるべき国の姿を考えてみるのもいいのではないかと思った。
私自身は、この法案に、条件付きで賛成。
選択肢が増えることは生きやすさにつながると思うから。
命の残りを意識する機会は、あった方がいい。当たり前のものなんてないと知るのも大事なこと。

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3位 サンドウィッチマン『復活力 (幻冬舎文庫)

「敗者復活」を10年経って加筆修正したもの。
いまや好感度No. 1のコンビでもありふたりでもあるサンドさんの、これまでがよくわかる内容。
芸人さんの本はどれも読んでいて面白いし楽しいけれど、この本は出口が見えない不安の中でもがいている最中のひとに、より響くように思った。
また、M-1敗者復活からの優勝の振り返りシーンは、読んでても泣けそうになるし、映像を見返して泣きたい、そして喜びを感じたい気持ちになる。
愛すべきふたりの十年後も楽しみ。

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4位 垣谷美雨『結婚相手は抽選で (双葉文庫)

誰も彼も、精一杯生きている。
愚かさ未熟さも、愛おしいなぁと思える、ドタバタ人間模様。
強制的に見合いをさせ、少子化に歯止めをかけようとしたら、こんなことが起こるかも。
出てきた人がみんな愛おしく、幸せになってもらいたいなと思うとともに、自分も、自分の大切な人もそうであってほしいなと反省もした。
生かされてる限られた時間を、よりよいものにしたいと思えた、自分にとっては良書。

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5位 垣谷美雨『老後の資金がありません (中公文庫)

タイトルそのままの、経済的ピンチをしのごうと、主人公がバタバタする話。
なんてことない下世話な題材なのに、ついつい気になり先を読みたくなる面白さ。終盤はまさかの危ない橋を渡り出し、なるほど映画化されたのもわかるな、と思った。予告編を観たけれど、面白くてちょっと身につまされて、老後の勉強にもなるだろう。
人生いろいろ、女もいろいろ。
篤子、サツキ、美乃留、姑、城ケ崎先生、さやか、志々子。
舵を握って、周囲を見て、幸せな人生の航海をしたいと思う。

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6位 伊坂幸太郎 『ほっこりミステリー (宝島社文庫)

贅沢な時間だったというのが率直な感想。
人気小説家四名による、人の死なないほっこりミステリー小説集。
伊坂幸太郎さんの恐妻家の殺し屋、兜の活躍にほっこり。
他の作家さんのも読んでみたくなった。

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7位 青山美智子 『猫のお告げは樹の下で (宝島社文庫)

ハートウォーミングなお話が、心の栄養になるこの頃。書いてくれてありがとうという気持ちに。
悩みながら、つまづきながら、前に進む人々の、ある神社で不思議な猫ミクジから与えられたタラヨウの葉のお告げにまつわる物語。
宮司さんがキーパーソンになっているところも佳き。
人生は、一度きり。正解は、ないともいえるし、自ら作っていくものともいえる。
せっかくの命だから、自分も、周りも、幸せでと願う。そんな思いを強くした。

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8位 田中淑恵 『本の夢 小さな夢の本

豆本の世界にもいろいろあるのだなと知ることができた本。
私の豆本がリサイクルショップだとしたら、この方のは銀座の百貨店の外商。そんな印象。
美へのこだわり、覚悟、凛とした姿勢。
刺激された。

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9位 西加奈子『サムのこと 猿に会う (小学館文庫)

西加奈子さんが好きな人にはよいのかなあ。読むのに疲れた時に挟むといい本、という評価。
ああ、そういうこともあるよね、そういうひともいるよね。そんなこともあるよね。
そういったものを文章化したもの。
「まく子」ほどはおもしろくなかったけれど、ふぅん、という感じで読めた。
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10位 東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

ひきこまれる、というよりは、この後面白くなるんだよねぇ、東野圭吾さんだし、と信じてページを捲り、読了。
謎解きまでのプロセスが楽しめる人には面白いかも。推理させてくれる醍醐味が感じられるかもしれない。自分はそれにあまり興味がないので、退屈さを感じた。
登場人物も、先にあの漫画のキャラクターありきで用意されたような感じで、冷めた。
本当のヒーローとその母親には好感が持てた。名もなき町も、名のある町も、素晴らしい。
最後の最後に残された謎。あれは気になる!

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本が読めるのは幸せなこと。

生きているうちに、読める本は、自分が思っているより多くないんですよね。

時間を大切に、読みたい本を読める有り難さに感謝して、
今月も、読書の時間を増やしたい、楽しみたい、と思います。

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まとめ→『2021年読めて幸せを感じられた本ベスト10冊』
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読書は愉しい。
私にとって、とてもヒュッゲな時間だから。


読みたい本がある。
本が読める。
分かち合える人がいる。
しみじみその幸せを噛みしめる、浜松のライフオーガナイザー、東條真紀でした。

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2021年5月に読んだ本は22冊(年間トータル84冊)

読めてよかった順に。
ですます調とである調が混在しているのは、読んですぐにメモを残すのですが、その時の気分によるもの。

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1位 ヨシタケシンスケ『にげてさがして

やさしくて、力強くて、確かで、しなやかで、温かいメッセージを受けとった。
ヨシタケシンスケさんの絵だからこそ、すうっとこころに入ってくる。
ここじゃない場所で踏ん張っている人に。
今じゃないタイミングで耐えている人に。
心地よさは、選べる。
人は変われる。変えられるのは変えられる。
逃げて、探して、見つけて、幸せになろう。
自分にも、子どもにも、大切な人にも伝えたいメッセージが詰まった絵本。
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2位 矢部太郎 『大家さんと僕 これから

お笑い芸人さん矢部太郎さんと、大家さんとの交流を描いたコミックエッセイ2冊目。
大家さんとの別れまで。
ドタバタがあるわけでもなく、戦争の暗い影や老いの悲しさなどもじんわり感じさせながら、それでも生きていることは、人と関わることは人生を豊かにすると思わせてくれますね。
ハートウォーミングというより、ハートフル。
読み手それぞれに響く箇所が違って楽しめる本だと思います。
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3位 岸田奈美 『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

世界平和の方法が書いてありました。
外側の世界を直接平和にはできなかったとしても、自分を平和な世界に住まわせることはできる。平和な世界に住まう人は、ひとに優しくできる。そんなひとが増えていったら、世界は平和になってしまう。
ネットで赤べこのnoteを読んだ時から、岸田奈美さんの感受性と表現力とユーモアに圧倒された。そんな彼女が、大好きな人たちとの関わりについて語ったこの本。とても楽しく読めた。
一番読めてよかったと感じたのは、あとがき。「好きな自分でいられる人との関係性だけを、大切にしていく」。
これに尽きるんだよね、と、反省と共感とで胸がギュッとなった。
それにしても、彼女のたとえツッコミのレベルは高く、大吉先生やフット後藤さんに匹敵すると思う。憧れる。
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4位 町田そのこ 『52ヘルツのクジラたち

出てくる人たちを、みんな応援したくなるお話。
いい人も、困った人も、ひどい人も。あ、やっぱりひどい人は難しいかな。
愛されたくて、愛されなくて、心にその匂いがついてしまった主人公と、同じ匂いの少年との出会い。
52ヘルツの声は、届かない。
でも、聴こうとしてくれる人は、この世のどこかに必ずいる。諦めないで、声を上げ続けること。
諦めないで、声に耳を傾け続けること。
現実の世界でも、こうやって52ヘルツの声を上げている人たちの存在がいるのを知ることと、声に耳を澄ますことは、必要というより切実だと思う。
社会問題を取り上げているけれど、ストーリーに引き込まれて、一気読み。
本屋大賞の作品は、期待はずれな確率が高いのだけど、大賞は別かな、とこの作品を読んで思った。
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5位 藤原章生 『ぶらっとヒマラヤ

山に挑む人の本を読むのが好きだ。
極限に命をぶつけて得ようとする何かを知りたい、知ることができるかもしれないという期待に応えてくれそうだからか。
さらに、新聞記者をしていた人の文章が好きだ。ストレスなく読めて、この上なくわかりやすく、無駄がない。
この本は、山に挑んだ新聞記者による「ヒマラヤを舞台に一人の人間の心の移ろいをつづったもの」。両方を兼ね備えていて、自分にとってラッキーな一冊。
「登山を介し、それなりの年になった人間が考えた老い、恐怖、死、そして生についての記録」。今、いや昔からかもしれないけれど、そういうものを読むのが好きで、著者の人生とチャレンジ、思考をなぞることができたことが嬉しい。8000メートル級の山に挑むことも、屋久島で宙吊りになって死にかけることも、これからも自分の人生にはないけれど、追体験できる読書は本当にありがたい。
生と死は、もっとこんな風に語られるのが望ましいと、無意味な報道(とも言えない)を目にするたび思う。
著者に感謝。
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6位 ゴードン・コーマン『リスタート

カナダ生まれのベストセラー作家によるジュニア向け小説。大人が読んでも楽しめた。
屋根から落ちて記憶を失った13歳の僕。
スポーツヒーローで人気者で、乱暴者で、周囲の人を怯えさせていた。
過去の自分と今の自分、どちらが本当の自分なのか。両方なのか。ひとは変われるのか。過去に犯した悪事にどう向き合うのか。
登場人物がそれぞれくっきり描かれているので、感情移入もしやすく、物語の世界に入り込めた。アメリカの学校の食堂でランチ食べてる気にもなれたし、老人ホームにも入れたし。
ゴードン・コーマンの他の作品も読んでみようと思う。読めてよかった一冊。
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7位 藤崎翔 『比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども

あー、面白かった!
元お笑い芸人による、読むコント。短編とショートショートの全12編。
全部楽しく読めた。
表題の悪魔の話と、タイムマシンの話、ピッチャーの話、心霊の話、どれもよかった。最初の金の斧銀の斧も。結局全部面白く、ハズレなし。
他の作品も読みたい。
読みながら笑える作品を、ありがとうございました。
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8位 小山田浩子『穴(新潮文庫)

「工場」を読み、手に取った小山田浩子さんの作品。
わざわざこういうのを読みたい!とは思わない、よくわからない不穏さと不思議さが感じられる小説なのだが、読後感はいい。珍味を味わったような気分。たまにはこういうのも読むといいなと思う。
穴は、ケモノは、義兄は、子どもたちは、ほんとのところどうだったんだろう。
改行が少なく、文字をひたすら追えるので、私は彼女のスタイルが好き。
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9位 金田一秀穂 『金田一秀穂の心地よい日本語

ゆるくて、さらっと読めて、気持ちが軽くなる、手製のジンジャーエールを飲んだ時のような読後感。
努力は最も忌避する行為で、世の中はほとんど運だという話が印象的だった。
また、子どもの本の監修の話も興味深く読んだ。頭が上がらないとかあわせる顔がないとか、例文が不自然で、子どもの時期には使わない、使えない、大人になったら使える言葉がある、と。娘が小さかった頃、まずいというのは失礼だから、口に合わないと言うように教えた時のことを思い出した。小さな女の子が「お口に合わない」というのはかえって失礼、というくらい違和感があり、このことだったんだな、と。
こういうのも時々読みたいな、と思える一冊。
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10位 『恩田陸選 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎003 (講談社文庫)

恩田陸さんセレクトのミステリー短編集。
八名の作家の作品は個性豊かで、遊園地の乗り物に次々乗るような面白さがあった。
こういう作りのものは、はずれがないので有難い。
でも、エログロいのは苦手。
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11位 今野敏『殺意の隘路(下) 日本ベストミステリー選集 (光文社文庫)

待ち時間や隙間時間に最適なミステリー選集。楽しく読んだ。
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12位 カマたく『お前のために生きてないから大丈夫です カマたくの人生ざっくり相談室

歌舞伎町のゲイバーで働くカマたくさんが、寄せられたお悩みに答える著書二冊目。
悩むことに意味はない、悩みを分別し、できることならする、できないことはしない、とシンプルに、もっとざっくりと生きたらいいのよと教えてくれる。
同じ感覚だと思ったところ。死に対する不安の相談に対して。
「私もう、現世に未練ないのよね。死にたいわけではないけど、やり残したことが特にないから。」p183
適当上等。いい加減ではなく、うまいことやっていこー。
カマたくさんのスタイルには、本当に禅を感じる。歌舞伎町の、Twitter上の、僧侶かもしれない。
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13位 浅田次郎『ハッピー・リタイアメント (幻冬舎文庫)

再読。すっかり忘れていて、結末をドキドキしながら迎えられた。
誇り高く生きるとはどういうことか。
登場人物たちがそれを教えてくれる。
競馬場の親切なおじいさんも、誇り高きひと。
三人がこれからどうやって生きていくのか、その姿が見たい。
はずれのない、浅田次郎さん。
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14位 宇佐見りん 『推し、燃ゆ

これはいったいどういう話なんだろうと読み進め、結局そういう話だったのね、ありゃりゃ、とまどいを覚えたまま読み終えた。
主人公あかりの母目線で読んでいたかもしれない。
推しのためなら努力もできて、文章も書けて、働けて、生きていられる。でもそれ以外では、勉強も片づけも、基本的な生活ができない。
不器用な人間は、どう生きたらいいのか。理解、受容と甘え、甘やかしの違いはどこにあるのか。
振り切れた人間が出てくるつながりで「コンビニ人間」を思い出した。人間の不可解さと面白さと。「かか」も読んでみようかな。
----------------------------------
15位 東野圭吾『白鳥とコウモリ

昔は面白かったのに、クスノキはイマイチだったし、もう東野圭吾さんはいいかなーと肩すかし覚悟で読み始めた作品。
結果、私の好きだった東野圭吾さんだった。
弁護士が殺され、父が自首し、逮捕された。
嘘がある、と調べる中で知り合う、弁護士の娘と自首した父の息子。
三十年も前に起きた事件とのつながり。
真実はどこにあるのか。ひとを裁くとはどういうことなのか。
犯罪者と家族の話といえば「手紙」。再読は無理、と思えるほど辛さを感じた。これもまた、犯罪者と被害者と家族の気持ちにも想いを寄せられるストーリー。
タイトルの白鳥とコウモリは、どういう意味なのだろうと思いながら読んでたけど、読後の納得感たるや。字面で胸にグッとくる。読めてよかった。
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16位 中村久瑠美『55歳からの離婚計画 これからは自分のために生きていく (The New Fifties)

ガイドブックとして良書。
著者ご自身の結婚、暴力、そして離婚、弁護士へという経験談も胸に迫る。
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17位 中山七里『さよならドビュッシー (宝島社文庫)

最後の一行でグッときた作品といえば、伊坂幸太郎さんの「ガソリン生活」とダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」の二作品。三作品目に入れてもいいと思えたのが、この「さよならドビュッシー」。
事前知識なしに手に取ったため、冒頭からしばらくは女子高生の青春ものかと思っていたら、まさかまさかの急展開。
さすが、このミス大賞。
ピアノ演奏シーンは実際にBGMとして曲を流しながら読んだらより楽しめた気がする。読めてよかった。
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18位 柳広司『象は忘れない (文春文庫)

柳広司さんが震災と原発事故がそこに住まう人々や関わった人々にどんな影響を与えたのか、人生をどう変えたかに真正面から向き合った作品集。
能の舞台を枠組みにしてあるので、詳しい人にはより楽しめるのだと思う。
重苦しかった。その重さを忌避してはならないと地続きで暮らす自分に対して思った。
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19位 エリザベス・オハラ 『サリーのえらぶ道

続編。
ちょっと成長したサリーの生活、人間関係の変化、恋愛模様。絶対読みたいというよりは、知ってる人の話だから、続きが気にはなる、という感じ。
不思議な青年オーラフは、サリーがいうように天使のよう。賢く幸せに生きる知恵の体現者。自分も出会いたい。
サリーの今後が気になるので、続きも読みます。
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20位 東野圭吾『素敵な日本人 (光文社文庫)

安心して楽しく読めた東野圭吾作品集。
ドラマを見ているような感覚になれた。
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21位 佐々木譲『奈落 ホラー・アンソロジー (集英社文庫)

ホラーのアンソロジー。
面白かった。
銀色列車は、笑えるけど、笑えない話。
読む前の自分に、これだけは読んでおきな、と伝えたいのは、かんべむさしさんの「銀色列車」、加納朋子さんの「黒いベールの貴婦人」かな。他も楽しめたけど。
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22位 『図解 離婚のための準備と手続き―これだけは知っておきたい

図解でわかりやすかった。備えあれば憂いなし。
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本が読めるのは幸せなこと。

生きているうちに、読める本は、自分が思っているより多くないんですよね。

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読書は愉しい。
私にとって、とてもヒュッゲな時間だから。


読みたい本がある。
本が読める。
分かち合える人がいる。
しみじみその幸せを噛みしめる、浜松のライフオーガナイザー、東條真紀でした。

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時空を越えた贈り物を受け取りました


自分が六歳の時に出版された本を、数十年たってから手にして読むことができました。

数十年前に生きていた、そして豆本の製作や蒐集に熱狂していた粋なひとたちの声を聴くことができました。
(戦後、物不足で食糧が配給だった時代に、装丁に浅草海苔を使ったとか。クレイジーで最高)


今井田勲著『私の稀覯本―豆本とその周辺 (1976年)

この本の中に出てくる方々は、ほとんど鬼籍に入られている、はず。
著者は1989年に亡くなっています。
静岡に住んでいるなら、現代豆本館も、行きたかった。でも間に合わなかった。

時は過ぎ、人は変わり、流れていく。
変わらないもの、変わりゆくもの。
そこに思いや熱や喜びがあったことは消えない。

おもしろい!と思えるものに出会えた幸せを味わう。

本、そして図書館という仕組みを考えた人と今日まで守り続けてくれた人への感謝の気持ちを、恩返ししていきたい。
自分にできることで。

教育と納税。
国民の三大義務なのも納得。
本当に本当に大事なこと。

だからこそ経済を止めてはならない、というのも然り。

今読みかけの一冊。

これも時空を越えた贈り物。
受け取っています。

主人公の彼女は、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』のゴードンを思い出しました。
読みながら、幸せになってほしい、と願わずにはいられない。
結末が楽しみ。

本が好き、という嗜好。
本は面白いよ、心強いよ、ということを教えてくれた全てに感謝しかありません。

さ、読もう。

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2021年4月に読んだ本は22冊(年間トータル62冊)

読めてよかった順に。
ですます調とである調が混在しているのは、読んですぐにメモを残すのですが、その時の気分によるもの。

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1位 児玉清『すべては今日から

尊敬する児玉清さんが遺した、本への敬意と愛情と興奮に満ちた文章をまとめたもの。
何度読んでも心地よく、もしも自分が文章を書くなら、こういうものをこういう風に書きたいと思う。
知性と謙虚さを兼ね備えた兒玉さんが、少年のように夢中になった本を熱く熱く語ってくれる。読みたい本が次々に出てきて困ってしまうほど。
最終章は、社会に対しての警告、問題提起。
「もうこの辺りでしっかりと「本の売れない時代』のわれわれ人類に及ぼす悪影響を見極めて『本の盛んに売れる時代』へと転換しなければ、やがて人類は大変な時代を迎えることになることを自覚すべきだと思うのだがどうだろうか」
コロナ禍で、児玉さんのいう悪影響をより感じる昨今、読書の大切さ、そしてシンプルに楽しい!ということを改めて享受できる幸せを思う。
----------------------------------
2位 三好愛『ざらざらをさわる

繊細な感受性と、キャッチした何かを咀嚼し言葉で表現する技術。
自分になくて、あればいいのになと願う美しい表現が文章という形でそこにありました。
「私も、みんなも、どうしようもなくわかりあえないまま、今日を元気に生きています。」
さらっと読めるのに、ところどころ残る。
彼女の体験は彼女のものなのに、自分の過去の忘れていた記憶が蘇る。
ああ、たしかにあのとき、わたしはそんなふうに感じたな、と。
「呪いの先に」は、増田ミリさんの「どうしても嫌いな人」を思い出しました。どこにでも呪いをかける人はいます。
途中で気になってたまらず、著者の生年月日を調べにいってしまいました。わからなかったけど、たぶん調舒星。戌亥天中殺もあるかも。敏感さを大切に、強みにしている好例だと思いました。
こういうエッセイを、また読みたい。
----------------------------------
3位 いせひでこ『ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

フランスで著者が出会った、ルリユール。
アパートを借りてまで通い詰め、思いを形にしたこの絵本。
大好きな図鑑がバラバラになってしまい、修復してもらうソフィー。
父親から学んだ技術を高め続けてきたルリユールおじさん。
完成した本を「わたしだけの本」とぎゅっと抱きしめるソフィー、大好きな本の世界にのめり込むソフィーの姿に、なぜか泣きそうな気持ちになった。
ひとにはそれぞれ大事にしたいものがある。それを大切に抱えて生きていきたいな、ということを思い出させてくれる。
いせひでこさんの、優しくて味わい深い絵を眺めているだけでも幸せな気持ちになれる、本好きにはたまらない一冊。
ルリユールって、本当に素敵な職業。
----------------------------------
4位 オーエン・コルファー『アルテミス・ファウル 妖精の身代金 (角川文庫)

いまいち具体的に想像できなかったところがところどころにありつつも、続きが気になり、ドキドキしながら読み終えた小説。
妖精ホリーの強さと優しさと若気の至りが強く印象に残った。三部作とのことなので、あと二冊楽しめると思うと嬉しい。
海外児童文学、いいな!
----------------------------------
5位 朱川湊人『わくらば日記 「わくらば」シリーズ (角川文庫)

好き!
本屋大賞の作品でがっかり続きだったので、読んでいる最中も、読後も心地よいこういう作品に出会えてほっとした。
過去が見えてしまう不思議な力を持った姉との思い出を妹が語る。戦後から高度経済成長へと向かうあの頃の日本。
事件簿でもあり、ミステリーでもあり、人間の切なさ愚かさ優しさ温かさも感じられて、読めてよかった。続きもあるので、それを読む楽しみができたのも嬉しい。
私もお母さまに巴投げされたいと思った。
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6位 小野寺史宜ひと

どんな人にも、その人なりの物語がある。
市井の人の人情話というか、商店街の惣菜屋で働く親を亡くした青年の成長物語。
悪意を持って近づいてくる人、好意のある人、恩人、不遜の自覚がない上からの人。不器用なりに、真摯に生きる人の姿に、共感しつつ教訓を得たり。
主人公と同じくらいの年代に、高校や大学生の頃に読むと、一番響きそう。
親目線で、子どもが読むといいかもねーと思えた、初小野寺作品。
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7位 朱川湊人『わくらば追慕抄 「わくらば」シリーズ (角川文庫)

わくらば、続編、一気読み。
姉妹の活躍をたくさん読みたいけれど、それは体の弱い姉鈴音の具合を悪くするから悩ましい…と心配してしまうほど、朱川湊人さんが描く昭和の東京にどっぷり浸れて、楽しめた。
過去や真実がはっきりすることばかりがよいわけではない。やむに止まれぬ事情を抱えた、戦後を生きた人々。
それにしても、生き生きと描かれる、お転婆の妹と、慈愛に満ちた姉。脇役の刑事もいい味を出していて、男性の作家の手によるものとは驚く。
朱川さんの他の作品はこれから読もうと思う。楽しみができて嬉しい。
不思議で、少し怖くて、でも優しい、そんなお話を読みたい時に最適。
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8位 オーエン・コルファー『ウィッシュリスト The Wish List

一級のエンターテインメント小説の評判の通り、と素直に思えた、読めてよかった一冊。
図書館でたまたま手に取った自分を褒めてあげたい。
盗みに忍び込んだアパートで命を落とした14歳の不良少女メグ・フィン。その家に住む死期のちかい偏屈な老人と彼女の霊魂との願いを叶える珍道中。
地獄からの死者の邪魔から逃れ、四つの願いを叶えることはできるのか、フィンは天国へ行けるのか。
いきなり主人公が衝撃的な死を迎え、どうなるのかと不安を憶えながら読み始め、夢中に。ノンストップで楽しめ、結末が気になり仕方がない。読み終えた今、ホッとしている。
「アルテミス・ファウル」を是非読まねば。悪のハリー・ポッターだそう。
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9位 小山田浩子『工場(新潮文庫)

不穏。
なんてことないストーリーのようで、後からじわじわくるタイプの作品。
ずっと座ってた座布団の下にマムシがいた、あの違和感それだったのかー、みたいな感覚。
不穏という空気を物語にしたら、こうなった、という印象。冒険もの、エッセイ、ファンタジー、ミステリー、様々なジャンルを読む人がその中に挟み込むといいかもしれない。
居酒屋メニューの中の、定番ではなく、得体が知れなくて、ちょっとどうなの?という見た目で、食べても変な感じだけど、翌日あれ美味しかったなあと思い出すような作品。工場ウ、そうきたか。
職場の人たちの、ささやかな、でも大きな、未熟さや悪意をこんな風に描けるのもすごいな、と思った。
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10位 アレックス・シアラー『This is the Life

優秀だったのに不器用で上手く生きられなかったように感じてた兄のあの世への旅立ちに寄り添った弟である「おれ」が語る、その日までのできごとと、回想。
著者の他の作品のような、ドキドキな展開とは全く異なり、おとなのための、身内の見送り方の実際、という内容でした。
オーストラリアのワイルドな住宅事情も垣間見え、そこは興味深かったです。
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11位 清水麻子『[静岡]本のある場所 (momo book)

静岡県内や浜松に、こんなに魅力的な古書店、新刊書店、ブックカフェ、図書館があったなんて。
知ることができて嬉しいし、行ってみる楽しみが増えた。
ただ、2014年の本なので、閉店したり、状況が変わっているお店もありそう。実際、葵タワーの戸田書店は閉店。
大学図書館が一般利用可というのも、そういえば、と気づかせてもらえて嬉しい。掛川や佐久間の図書館、ブックカフェなど、足を運んでみたいと思う。
本と本のある空間を愛するすべての人に。
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12位 朱川湊人『本日、サービスデー (光文社文庫)

正統派のハートウォーミングな五篇の作品集。
安心して読めて、列車の旅の友に最適。
本日サービスデー、気合入門、蒼い岸辺にて、は主人公と一緒にドキドキしながらがんばろ、と思える。あおぞら怪談のるり子さんは、妖怪アパートのるり子さんを思わせる、切なさの残るお話。
東京しあわせクラブはタイトルと内容のギャップにつっこみたくなる。途中で気づく、あのゾッとする感覚が読み応えとあうものか。
読む前の自分に読むべきか聞かれたら、いくつか並行して読む中で、ちょうどいい気分転換になるからいいと思うよ、と答える。
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13位 益田ミリ『結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日 (幻冬舎文庫)

老後も不安だけど、今も大事。
今の自分を大事にしていきたいなと思えた。
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14位 益田ミリ『すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

あたしはあたしでいい。
揺れながら、悩みながら、時々怒ったり泣いたりしながら、生きていく。
すーちゃんの思考に共感。
絵もいい。
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15位 キャロル・マックラウド『しあわせのバケツ<改訂版>

幸福に生きるためには自分の欲求を満たすことが必要で、そのためには良い人間関係が必須ということをわかりやすく教えてくれる絵本。
選択理論心理学を学んだ人は、あら、まんま!わかりやすい!と思うはず。
カラーも五種類あるのもさらに選択理論っぽい。
絵本としてより、教材としてよくできでるなという感想。
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16位 益田ミリ『すーちゃんの恋 (幻冬舎文庫)

「『逃げ出した』なんて言葉にしばられず、そのまま受けとめればいいの。「逃げた』じゃなく「辞めた』それだけのことよ。」栄養士のみどり先生の言葉の優しさが嬉しかった。
カフェを辞めたすーちゃんが働く保育園。
どこでも、自分らしく生きることはできるし、とても大切なこと。
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17位 池田暁子『片づけられない女のための こんどこそ! 片づける技術

さらっと読めて、役立って、やる気につながる汚部屋脱出実録コミックエッセイ。
イラストがかわいらしいので、ゴミゴミした部屋の描写も痛々しさを感じない。
小さな発見や、これからを幸せに、片づけで悩まず快適に生きていきたい!という気持ちに共感できる。
入門書として優れていると思う。
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18位 赤川次郎『復讐専用ダイヤル―赤川次郎ショートショートシリーズ (赤川次郎ショートショートシリーズ 1)

赤川次郎さんのショートショート。
読むのに疲れた時に、休憩と気分転換にちょうどいい本。
散歩の後のシャワーみたいな感じかな。お風呂みたいにじっくり浸ることはできないけど、さっぱり、すっきり。
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19位 湊かなえ『カケラ

こういう複数の視点で書かれたスタイルは好きだけど、このお話自体はあまりピンと来なかった。
主人公というか聞き手の整形外科医の本音が見えてこなかったから。そこは読者の想像に任せているのかな。
あのドーナツは食べてみたい!と思った。
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20位 菅野久美子『大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました

事故物件について調べ、体験してきたレポート。最後の、現場検証に立ち会ってきた警察官の方の言葉が印象に残った。
「浄土真宗だったか、人間は生まれたときから死にむかっているというわけではないんですが、みんないつか死ぬわけだから、死に様をどういうふうに迎えるかというだけなんです。私も明日死ぬかわからない。、だから、その日その日を大事に生きるしかない。」p139
孤独な遺体に接した時に、看取ってあげたからねと遺体の顔を拭いてあげる彼の優しさと誇りを感じた。
生きているうちにできることは何か、何をするのか、したいのか、考えさせられた。
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21位 『ジュニアのための バレエ 上達パーフェクトレッスン 新版 (コツがわかる本!)

バレエを習いたての親子に。
バレエに興味のある老若男女に。
バレエの基礎を独習したい人に。
ちょうどいい入門書だと思いました。
少なくとも、バレエというか、バレリーナの姿勢の美しさや身体を思う通りに、かつ美しくコントロールする術について知りたい自分には、概要をつかみ、その難しさ、奥の深さを知るには最適な一冊でした。
もう少しポーズの名前も覚えて、舞台も観に行きたい。
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22位 深緑野分 『この本を盗む者は

読了。
しんどかった。五話のうち四話までは、昨日見た支離滅裂な夢の話を聞かされているようで苦痛。イメージしづらくて目が滑った。自分の想像力の不足のせいかもしれない。
読む前の自分に読むべきか尋ねられたとしたら、それを読むなら好きなのを再読を勧める。もしくは、五話だけ読めばいいよと言う。
しみじみ、ゲド戦記や精霊の守り人、マイケル・モーパーゴさんや伊坂幸太郎さん、浅田次郎さんの描写のレベルの高さを感じることができた。
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本が読めるのは幸せなこと。

生きているうちに、読める本は、自分が思っているより多くないんですよね。

時間を大切に、読みたい本を読める有り難さに感謝して、
今月も、読書の時間を増やしたい、楽しみたい、と思います。

♪年間100冊読みたい本仲間♪

香織さん→『時間が増える仕組み作り SMILE LIFE』
ロリスさん→『ロリスの『これやった!』日記』
東條→『本が好きカテゴリー』『死ぬまでに読んでメモしたい100冊の本』『【一覧】片づけに役立つ本』『[一覧]既読捨てる気になる本』

まとめ→『2021年読めて幸せを感じられた本ベスト10冊』
まとめ→『2020年読めて幸せを感じられた本ベスト10冊』

読書は愉しい。
私にとって、とてもヒュッゲな時間だから。


読みたい本がある。
本が読める。
分かち合える人がいる。
しみじみその幸せを噛みしめる、浜松のライフオーガナイザー、東條真紀でした。

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